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光明(中編)

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光明、中編です。




光明(中編)


上空から見下ろす住み慣れたエッジの街。
たった一ヶ月程離れていただけなのに、まるで住んでいたのが何年も前みたいにティファは感じてしまう。
ここに来るまで、昨日南のジャングルに行ったかと思えば今日は東の湿地帯に居るというように、彼女らは世界中を飛び回った。
目的地をティファが予知として見えた順番に決めていたので方向はバラバラ、傍から見れば計画性が無いと思われる移動。
移動距離も遭遇したモンスターとの戦闘回数も相当なものとなり、当初はシエラ号のクルー達や同乗しているWROの隊員から不満が上がった。ティファの予知を疑う者も当然居た。
しかし実際移動した地点から順次ライフストリームが噴き出している光景を目の当たりにした事で誰も行き先に異を唱える者はいなくなり、今もティファが予知したミッドガルの中心地、朽ち果てた神羅ビル周辺に連絡を受けたエッジ駐留のWRO部隊が一般人が居ないか確認している最中であった。
ティファが言うには実験施設用に人工的に掘った地下、つまりディープグラウンドにライフストリームが地底湖を作るように湧き上がるらしく、地上そのものに噴き出してくることはないとのことであったが、それでも遊び半分でビル周辺に近付き何かの影響を受ける人間がいてはいけないと、リーブが部隊の派遣を決定したのだ。
「体調悪いんじゃないのか?」
ブリッジで窓からぼんやりと外を眺めているティファへ、気遣わしそうにクラウドが声を掛ける。
「大丈夫。ちょっと怠かったりするだけだから」
「でも顔色が悪い」
実は誰にも言っていなかったが、最近は身体の倦怠感や眩暈、吐き気といった貧血と思われる症状に彼女は悩まされていた。
操縦はせず乗っているだけとはいえ飛空艇で長距離を移動し、現地に行かなくても特定出来る場所についてはユフィやヴィンセントが代わりに行ってくれていたが、それでも様々な場所で住民の避難誘導やモンスターとの戦闘を繰り返したことが心も身体も疲れ果てさせている。
正直休みたかった。しかし彼女の言葉を信じ同じようにライフストリーム災害と戦っているシエラ号の搭乗者達を前に、そんな事は口が裂けても言えない。
クラウドはそんな彼女をちゃんと見ていた。
今回予知したのはディープグラウンドとはっきり場所を特定しており、本来ならユフィとヴィンセントが現状確認を行うところであったが、出来ればティファを自宅で休ませたいとクラウドが仲間に頼み、シエラ号の目的地をミッドガルにしてエッジに寄ることにしてくれたことをティファは知っている。
感謝すると共に、気を遣わせて申し訳ないとティファは思っていた。
そんなクラウドは人前で愛情表現と取られるような行動をティファに対して行ったりしない。だからブリッジで彼女の頬に手を添えた彼にティファは驚き、同じ空間に他の人間が居るにも関わらず気恥ずかしさを忘れ、クラウドの辛そうな顔をまじまじと見詰めた。
「俺も最初は大した事は無いと思っていたんだ」
「?」
「星痕の事だ。あれだって最初はどこかでぶつけた痣だと思っていたのに、見る間に広がって…」
「クラウド…」
今でこそ星痕は世界から根絶された病気となったが、流行していた時はクラウドもデンゼルも自分の間近に迫った死病に怯える日々を送っていた。そしてティファも罹ったデンゼルを自宅で看病している間中、本人の前では努めて明るく振る舞っていたが、実際は少しの体調変化にもこの子はこのまま死んでしまうのではないかと怯えていたのだ。
クラウドが過去自分が味わった感情と同じものに苦しんでいる事に、ティファはやっと気が付いた。
ふと、彼にもたれ掛けたくなった。逞しい腕で包んでもらい、その中で眠りたくなった。
だがそれでも今は、世界の為に休んでいられないと彼女は自分を鼓舞し明るく言う。
「心配しないで!私に痣なんて無し、星痕そのものがもう無くなったじゃない!」
「でもライフストリームに関わる妙な能力といい、何の関係も無いとは言い切れないだろう?」
周囲の人間は会話している二人に気付いていたが敢えて目を逸らし、シドやバレットさえも気付いていないふりをしてくれていた。彼らの距離や行動は明らかに恋人同士のものであったが、流れる雰囲気が決して甘い物ではなかったのだ。
「少しでもおかしい事があれば必ず言うから」
「今現在がいつもと違った状態だ」
言外にクラウドはもう止めて欲しいと懇願する。
「お願い、最後までやらせて」
「いつ終わるかも分からないのに?」
一番辛いのはこの災害の終息が見えない事だった。
飛空挺で各地を移動しながら現地の地質や気象、空気中のライフストリーム濃度など様々なデータを取り、同行していないシェルクもセンシティブ・ネット・ダイブを使って旧神羅科学部が残したライフストリームに関する記録を、僅かなものであっても集めている。それらを基にWRO本部で分析を行い、ライフストリームが噴出する危険箇所の予測を行っているが結果にバラつきがあり、結局現状ではティファの能力に頼らざるを得ない状況となっている。
会話をどう続ければ良いのか悩みとうとう二人は黙り込んだが、その代わりブリッジが騒がしくなった。地上から緊急の救助要請が入ったのだ。

神羅ビル付近に一般人は居なかった。
居たのは今まで見たことのないモンスター。
虫か何かが変化したのだろうか、成人男性位ある胴体に蜘蛛のような長い脚が何本も生えている不気味な生命体が地下から何体も這い出して来ていた。
「ここじゃ人体実験しかしてなかったんじゃねえのかよ」
飛空挺を降りて開口一番、シドが咥えタバコのまま苦々しく言う。本来は人間が住んでいない場所なので、簡単なデータ取りだけするはずだったのだ。
「出てきたもんはしょうがねえだろうよ」
バレットは既に目標に照準を合わせ発砲を始めていた。こういった新種はどのような行動をするのか分からず、また毒を持っている場合もあるので、ある程度の距離を保ったまま攻撃してまずは様子を見るのだ。しかし銃弾で弾かれた仲間の亡骸を踏み越えこちらに近付くモンスターの群れは、のんびり様子を見る時間を与えてくれそうにない。
頭部と思われる場所に付いた目とおぼしき赤い二つの球体からは人間達を殺そうとする意思しか感じられず、ティファは背筋に嫌な汗をかきながらも必死にあるものを探した。バレットが銃弾を発射する直前、微かに助けを求める声が聞こえたのだ。
「居た!」
50メートル程離れた瓦礫の影に、うずくまったWRO隊員が血を流して倒れている。ここの周辺に一般人が居ないか確認しに来たエッジのWRO隊員に違いない。
グローブに回復のマテリアが嵌っている事を確認し、ティファは飛び出した。負傷した隊員に向かって一直線に。
「大丈夫!?」
何体かのモンスターを蹴り払い到達したティファが見たのは、脇腹を深く切りつけられ息も絶え絶えな十代とおぼしき女性隊員。このままでは失血死するのは目に見えていたので、ティファはその場で回復の魔法を発動させたが、魔法に集中したことで自分に近付く危険に気が付かなかった。彼女が顔を上げた時、金属的な質感を持つ鎌のようなモンスターの足が彼女の身体を切り裂く為振り下ろされようとしていたのだ。
咄嗟に防御の姿勢を取ったが、ダメージを確実に受けることは覚悟した。
しかし。
「大丈夫か!?」
先程隊員にティファが言った時よりももっと心配そうな声を掛けながら、モンスターの足を切り落とし胴体を薙ぎ払いながらクラウドが彼女の目の前に現れた。背を向け彼の目と剣の切っ先はモンスターを捉えたままだが、心はティファ達に向けられていることに彼女は心から安堵する。
クラウドが来たから、もう大丈夫。
「早くシエラ号までこの子を連れて行きたいの」
「俺が担ぐ。ティファは退路を切り開けるか」
「もちろん!」
形状は気味が悪く生理的な嫌悪感を感じさせるが、実際戦ってみるとそれほど重量は無いらしく彼女が繰り出す拳と蹴りにモンスター達は吹っ飛ばされ、クラウドも隊員を肩に担ぎながら横から攻撃しようとするものには斬撃をお見舞いする。長いようで短い距離を走り抜けようやく飛行艇にたどり着いてすぐ、担いでいた隊員を降ろしたクラウドは他のWRO隊員救助の為モンスターの群れの中に戻り、ティファは自分が助けた隊員の無事を確認した後シドやバレット、再び戻ってきたクラウドが運び込んだ新たな負傷者の為に回復魔法を掛け続けた。目の前の命を助けようと誰もが必死だった。
ミッドガルに到着した時中天にあった太陽が西の空に傾きかけた頃、死者も含めて全ての隊員を収容し飛空艇は上空へと飛び立った。その直後ライフストリームがディープグラウンドへ滔々と流れ込み始めたがそれを感じることが出来たのはティファだけで、彼女自身そんな事より新たな死者を出してしまわないよう野戦病院と化した飛空艇内で負傷者の治癒に走り回ったのである。
「もうお前が休むんだ!」
フラフラになりながら、まだ魔法を使って手当をしようと救護室に入りきらなかった負傷者のもとへ行こうとするティファを、クラウドは強い口調で引き止める。それに笑って「大丈夫」と彼女は返そうとしたが、突然襲ってきた下腹部の激痛に身を屈め、そのまま意識を失った。


光明(後編)に続きます。

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